元
高齢者の脳卒中など心血管疾患予防における非薬物的介入の効果は、依然として不明である。
そこで、サプリメント2000IU/日のビタミンD3、オメガ3脂肪酸(1g/日)、および簡単な自宅での筋力運動プログラム(SHEP)(3×/週)が、3年間の脂質バイオマーカーの血漿変化、高血圧の発症、主要心血管イベント(MACE:脳卒中、冠動脈疾患、心不全)に及ぼす影響をくわしくしらべてみたそうな。
70歳以上の健康的なヨーロッパ人2157人を登録した多施設共同無作為化比較試験(DO-HEALTH)のデータについて解析した。
次のようになった。
・参加者の年齢中央値は74歳、61.7%が女性、82.5%が少なくとも中等度の身体活動をしており、ベースライン時にビタミンD欠乏だったのは40.7%であった。
・対照群と比較して、オメガ3はHDL-コレステロールを増加させ、トリグリセリドを減少させた、しかし総コレステロール、LDL-コレステロール、非HDL-コレステロールは増加した。
・オメガ3、ビタミンDのサプリメントおよび運動プログラムSHEPは、いずれも対照と比較してMACEまたは高血圧発症のリスクを減少させなかった。
健康で活動的で、ビタミンDがほぼ充足している高齢者において、オメガ3、ビタミンDサプリメントまたは週3回の運動プログラムは主要心血管イベントの予防に有益ではなかった。オメガ3サプリメントのみが脂質バイオマーカーを変化させたが、その効果はまちまちであった、
というおはなし。
感想:
すでに健康な高齢者が「さらなる健康」を目指しても徒労に終わる。
とくに、ビタミンDサプリメントは効果がない。
ひなたぼっこでじゅうぶん、ってこと。