元
脳卒中は世界的に死亡原因の第2位である。
頭蓋内アテローム性動脈硬化性狭窄(ICAS)は脳梗塞の10〜15%を占め、アジア諸国では47%に達する。
ICAS患者は脳卒中再発のリスクが特に高い。
しかし、ステント治療を内科治療とくらべたVISSITとSAMMPRIS試験では、いずれもステント治療群での死亡率が高いため途中で中止されている。
そこで、ICASに対するステント留置術と内科的治療とを比較するべくメタアナリシスをこころみたそうな。
次のことがわかった。
・2011年から2022年の間に発表された研究が対象となった。
・患者総数991人の、4つのランダム化比較試験がふくまれた。
・頭蓋内ステント留置の総患者数は495人、内科的治療の総患者数は496人であった。
・2件の研究は米国で、他の2件は中国で実施された。
・組み入れられた研究はすべて、頭蓋内ステント留置術と内科的治療を比較したものであった。
・ICASによる脳梗塞患者において、30日脳梗塞、30日脳内出血、1年同領域脳卒中および死亡の割合は、頭蓋内ステント留置を行わない内科的治療単独の場合が有利であった。
・最終追跡時(1~3年後)の同領域脳卒中、障害性脳卒中、死亡のリスクはいずれも群間に有意な差はなかった。
アテローム性動脈硬化症に対する頭蓋内ステント留置は、内科的治療に対して有意なベネフィットをもたらさなかった、
というおはなし。
感想:
ステントは害しかなかった、ってこと。
彼はソーシャルスキルの要領が悪く、周囲の協力を得られなかったがために表沙汰になってしまっただけとおもう。
ふつうは組織が全力でかばうので院内不祥事をわれわれが耳にすることはまずない。