元
脳卒中後痙縮(PSS)患者に対する振動療法(VT)の有効性は、依然としてあきらかになっていない。
そこで、PSSにおける振動療法の有効性を評価するべくメタアナリシスをこころみたそうな。
PSS患者を対象としたVTのランダム化比較試験(RCT)を2022年10月まで検索した。
主要アウトカムは痙縮、副次アウトカムは疼痛、運動機能、歩行パフォーマンス、有害事象とした。
次のことがわかった。
・全体として、VTはPSS患者において痙縮および疼痛の軽減、運動機能の改善に有意な効果を示した。
・しかし、VTは歩行能力には有意な効果を示さなかった。
・さらに、振動の種類、振動数、振動時間、セッションの頻度、痙縮の分布、の違いによる短期的な痙縮抑制効果は有意ではなかった。
振動療法は脳卒中患者の痙縮と疼痛を有意に緩和し、運動機能を改善することがわかったが、歩行能力に対する効果は不明であった、
というおはなし。
感想:
私『この論文において、振動療法の適切なパラメータについてまとめてください』
AI『... VTの種類: VTには2つのサブタイプがあります。全身振動(Whole-Body Vibration, WBV)と局所筋振動(Local Muscle Vibration, LMV)です。WBVとLMVの両方が有意な効果を示しましたが、グループ間の違いは有意ではありませんでした。
振動の周波数: 4つの試験が20Hz以下、9つの試験が20Hz以上の周波数を使用しました。20Hz以下の効果は有意ではなかったのに対し、20Hz以上のグループでは有意な効果が見られました。
各セッションの振動時間: 30分間のVTは有意な効果を示しましたが、5~30分間および5分間のセッションでは有意な効果は見られませんでした。振動時間が長くなるにつれて効果のサイズが増加する傾向が見られました。
セッションの回数: 多セッションのVTの効果を評価した12の試験では有意な効果が見られましたが、単一セッションのVTの効果を評価した試験は1つだけでした。セッションの回数が多いほど、効果のサイズが大きくなる可能性がありますが、セッション間隔に関する明確な証拠はまだありません。
セッションの頻度: セッションが週2日、週3日、週5日の各グループで有意な効果が見られましたが、グループ間での差は有意ではありませんでした。
痙縮の分布: VTは特に肩と肘の上肢痙縮において有意な効果を示しました。他の部位(手首、足首、膝)においては有意な改善は見られませんでした。
長期効果: VTの長期的な効果は限定的である可能性があります。以前の研究では、LMVが上肢痙縮に対して30分後と治療後2週間までの抑制効果を示しましたが、それ以降の持続効果については明確ではありません。』