元
脳卒中後の認知障害と認知症は多くにみられ、患者、介護者、医療制度にとって大きな負担となっている。
そこで、脳卒中後認知障害(PSCI)と認知症(PSD)の危険因子について、年齢や脳卒中の重症度といった確立された危険因子を超えてくわしくしらべてみたそうな。
2023年9月15日までの系統的文献検索を行った。
急性脳卒中(脳梗塞、脳出血、一過性脳虚血発作)患者を対象とし、PSCIまたはPSDを3ヵ月以上にわたって追跡した研究、無作為化対照試験の事後解析、ケースコントロール研究を選択した。
次のようになった。
・システマティックレビューに適格な論文162報を同定し、そのうち113報(89研究、160783患者)がメタ解析に適格であった。
・ベースラインの認知障害は、PSCIおよびPSDの最も強いリスク因子であった。
・糖尿病、心房細動、中等度または重度の白質病変およびその進行は、年齢や脳卒中の重症度とは独立して、PSCIの治療可能な危険因子として同定された。
・PSDについては、糖尿病、中等度または重度の白質病変の存在およびその進行、が治療可能な危険因子として同定された。
・その他の危険因子としては、低学歴、脳卒中の既往、左半球の脳卒中、3つ以上のラクナ梗塞の存在、脳の萎縮、があった。
・PSDの危険因子との関連は、最近の研究では弱くなっていた。
脳卒中後の認知障害および認知症の療可能な危険因子には、糖尿病、心房細動、脳小血管症のマーカー(白質病変やラクナ梗塞)が含まれた、
というおはなし。
感想:
脳卒中後4年で最大80%が認知障害、1年後最大40%が認知症、と書いてある。
脳卒中のあとはボケとの闘いがつづく。