元
脳卒中は日常生活動作に障害をもたらす。
これらの多くは、両腕の効果的な協調運動に大きく依存している。
周期的なリズミカルな両腕の協調運動パターンは、同位相運動(両側の同種の筋肉が同時に収縮する)と反位相運動(両側の筋肉が交互に収縮する)の2つの基本的なモードに分類することができる。
そこで、左大脳半球(LHS)と右大脳半球(RHS)の脳卒中患者において、両手運動中の個々の腕の制御と両腕間の協調にどのような違いがあるかをくわしくしらべてみたそうな。
脳卒中慢性片麻痺患者18名(LHS9名、RHS9名)と年齢・性別をマッチさせた対照者18名の両側コーディネーション能力を、運動学的計測を用いて評価した。
上肢外骨格システムを用い、円を描かせる課題の各手における軌道のばらつきを定量化し、反位相運動と同位相運動における両手間の位相同期を計算することで協調性を評価した。
次のようになった。
・RHS患者では反位相運動中の手の制御および両手間制御においてより大きな障害を示し、
・LHS患者では同位相運動中のみ個別の手の制御においてより大きな障害を示した。
・しかし、LHS患者ではさらに、同位相運動中の手の優位性の入れ替わりがみられた。
左右の脳半球損傷が脳卒中患者の両上肢の協調運動に異なる影響を与えていた。右半球損傷は反位相動作(両手が交互に動く動作)での個別および両肢間の制御に障害を示し、一方、左半球損傷患者は同位相動作(両手が同時に動く動作)で個別の肢の制御に障害を示した、
というおはなし。
感想:
私『左脳損傷患者は同位相が苦手、右脳患者は反位相が苦手ですから、水泳をやらせるとしたらそれぞれクロール、バタフライが適していそうですね。』
AI『脳卒中による左脳損傷の患者が同位相の動作に苦労し、右脳損傷の患者が反位相の動作に苦労するという研究結果を踏まえると、リハビリテーションの選択肢としての水泳の泳法については、その逆が適している可能性が考えられます。
つまり、左脳損傷患者の場合、同位相の動作が苦手なので、反位相の動作を多用するクロールがリハビリテーションに適しているかもしれません。逆に、右脳損傷患者は反位相の動作に苦労するため、同位相の動作が主体のバタフライが適しているかもしれません。…』