元
脳卒中経験者は、長期にわたり心理的回復に取り組み、それを重要事項であると考えている。しかし心理的転帰の発生頻度に関するデータは不足している。
認知障害、抑うつ/不安、疲労、無気力および関連する心理的転帰の有病率や、その割合が脳卒中後長期において安定しているかどうかはあきらかではないので、くわしくしらべてみたそうな。
2年以上経つ長期脳卒中生存者105名(年齢72.9、脳卒中後年数4.57)を対象とし、
記憶、注意、言語、実行機能の領域からなる標準化された認知神経学的検査と、感情的苦痛、疲労、無気力、その他の心理的転帰に関する3つの評価を完了した。
さらに1年後にも再評価した。
次のようになった。
・モントリオール認知機能評価では65.3%が認知機能上のなんらかの問題を示す26点未満であった。
・Oxford Cognitive Screenでは、45.9%が少なくとも1つの認知障害を有していた。
・認知機能の、注意(27.1%)と実行機能(40%)の障害が最も多かった。
・23.5%に抑うつ、22.5%に不安、の上昇がみられた。
・心理的には、疲労(51.4%)と無気力(40.5%)の割合は依然として高く、脳卒中後1年目の割合と変わらなかった。
・認知障害、抑うつ/不安、疲労、無気力はすべてQOLの悪化と相関していた。
脳卒中後2年以上経過した者の半数近くが、認知、気分、疲労の領域を含む心理的困難を示し、長期的なQOLに影響を及ぼしていた。
脳卒中は、心理的な介入ニーズが非常に高い慢性病である、
というおはなし。
感想:
ようするに、注意、実行機能、疲労、無気力がもっとも大きな問題であり、疲労だけは悪化の一途であった、ということ。