元
糖尿病(DM)は動脈硬化性疾患の危険因子として確立されているが、脳動脈瘤の破裂リスクに対する影響はまだ議論の余地がある。
そこで、DMと動脈瘤性くも膜下出血(aSAH)との関係を調べるために症例対照研究をこころみたそうな。
2013年から2023年の間に治療を受けた破裂または未破裂動脈瘤患者のデータについて、
傾向スコアマッチング(PSM)分析を行い、DMとaSAHリスクの関係を評価した。
次のことがわかった。
・5768個の脳動脈瘤を有する患者4787例が対象となった。
・そのうち2957例(61.8%)が女性で、1765例(36.9%)に動脈瘤破裂がみられ、531例(11.1%)にDMがみられた。
・女性、飲酒、高コレステロール血症はaSAHの高リスクと関連していたが、高齢、喫煙経験、DMはaSAHの低リスクと関連していた。
・未破裂群におけるDMの発生率(13.4%、406/3022)は、破裂群(7.1%、125/1765)よりも高かった。
・傾向スコアマッチングの結果、DMを有する530例がマッチングに成功し、DMは依然としてaSAHの低リスクと関連していた。
動脈瘤破裂によるくも膜下出血患者では糖尿病である率があきらかに低かったが、因果関係の立証には至らなかった、
というおはなし。
感想:
糖尿病による動脈「硬化」が破裂しにくくなる理由の1つとして挙げられている。
メトホルミンなどの糖尿病治療薬が原因説↓もある。