元
脳卒中における運動領域以外の有害な転帰は一般的であり、
QOLに大きな影響を及ぼす可能性が高いが、複数の健康領域にわたるその有病率、パターン、予測因子を包括的に評価した研究はほとんどないので、くわしくしらべてみたそうな。
2018年8月1日から2019年8月31日の間に、ロンドンのUniversity College Hospital(UCH)のHyperacute Stroke Unit(HASU)に入院した急性脳梗塞または脳内出血患者について、
30日後の非運動性転帰(不安、抑うつ、疲労、睡眠、社会的役割や活動への参加、疼痛、腸機能、膀胱機能)を評価した。
次のようになった。
・対象患者605/719例(84.1%)の追跡データが得られた(平均年齢72.0歳、脳梗塞521例、脳内出血84例)。
・不安(57.0%)、疲労(52.7%)、膀胱機能障害(50.2%)、社会参加の減少(49.2%)、疼痛(47.9%)が最も一般的な非運動性の有害転帰であった。
・非運動性の有害転帰の発生率は、1つ以上の領域では89%、2つ以上では66.3%、3つ以上では45.8%であった。
・脳梗塞よりも脳内出血で、または入院時の脳卒中の重症度が、最も強い予測因子であった。
・腸機能障害と膀胱機能障害、社会参加の減少と膀胱機能障害、不安と疲労、との間には有意な相関があった。
・その他の非運動領域の有害転帰のペアについては相関は確認されなかった。
脳卒中後1ヵ月の時点で、非運動性の有害転帰は非常に一般的であり、少なくとも1つの健康領域で患者のほぼ90%、2つ以上の領域で約3分の2、3つ以上の領域でほぼ50%が影響を受けていた。脳内出血と入院時の重症度が最も強く一貫した予測因子であった。これら有害転帰は、不安と疲労、など2つの領域のペアで起こる、
というおはなし。
感想:
よくまとまっていてわかりやすい。