元
アリシンは、ニンニク特有の臭いの原因となる化合物である。
アリシンには高血圧の改善、抗炎症作用、抗がん効果など、様々な健康上の利点が報告されている。
そこで、アリシンが脳内出血の治療にも役立つ可能性について、実験してみたそうな。
人為的に脳内出血にしたマウスに対し、
アリシン(50 mg/kg)を脳内出血の3時間後から毎日腹腔内投与した。
次のようになった。
・血腫中の生存神経細胞の増加、軸索輸送障害の軽減、軸索路傷害の予防などの神経保護作用が認められた。
・さらに、アリシンは血腫周囲の活性化ミクログリア/マクロファージの蓄積と血腫内の好中球の浸潤を抑制した。
・アリシンはまた、脳内出血によって誘発されたインターロイキン6やC-X-Cモチーフリガンド2などの炎症性因子のmRNAの脳内での上昇を抑制し、抗炎症作用を示唆した。
・さらに、脳内出血による酸化ストレスを示すマロンジアルデヒドの増加と総グルタチオンの減少は、アリシンによって抑制された。
・アリシンを投与したマウスは、プラセボにくらべ脳内出血後の感覚運動機能の回復が良好であった。
ニンニクに含まれるアリシンが脳内の神経細胞障害、炎症反応、酸化ストレスの緩和を介して、脳内出血に治療効果をもたらすことがわかった、
というおはなし。
感想:
40年ほどまえ住んでいた地域に、ガーリックの効いた
ハートチップルというローカルフードがあって、「くさい」といわれながらもよく食べた思い出がある。