元
これまでの研究では、脳卒中後うつ病のリスク因子を1つの時点のみで調査しており、その経時的な変化が無視されていた。
そこで、複数回の評価を経た脳卒中後うつの軌跡を同定し、その危険因子をくわしくしらべてみたそうな。
South London Stroke Register(1995-2019)を用いて集団ベースの研究を行った。
Hospital Anxiety and Depression Scaleを3回以上測定したすべての脳卒中患者を対象とした。
次のことがわかった。
・1968人の参加者(平均年齢64.9歳)を解析対象とした。
1.無うつ症状(14.1%、n=277): このグループの患者は、脳卒中後のうつ症状をほとんどまたは全く経験していない。
2.低いうつ症状(41.7%、n=820): ここに分類される患者は、軽度のうつ症状を示しているが、これは日常生活に大きな支障をきたすほどではない。
3.中程度のうつ症状、および初期に悪化して後に改善する症状(34.6%、n=681): このグループの患者は、脳卒中直後にうつ症状が悪化し、その後時間とともに改善する傾向にある。
4.高くて増加するうつ症状(9.7%、n=190): このカテゴリーには、脳卒中後に重度のうつ症状が現れ、時間の経過とともにこれらの症状が増悪する患者が含まれます。
・うつ症状ないグループと比較して、重度の障害、重度の脳卒中、脳卒中前の抑うつ状態、認知障害を有する患者は、中程度と高症状の群に属する可能性が高かった。
・女性性は高うつ症状と関連し、高齢(≧65歳)は中程度うつ症状と関連した。
・男性では、重度障害、重度脳卒中、脳卒中前うつ、認知障害を有する患者が高うつ症状群に属することのオッズ比は、それぞれ1.91、2.41、2.57、2.68であった。
・女性では、オッズ比はそれぞれ1.08、1.30、19.2、3.80であった。
脳卒中後10年間のうつ症状の軌跡は4パターンに分類できた。うつ症状を経験しない割合は14%だった。女性であることおよび高年齢は、うつ症状とあきらかに関連していた。男性では、高いうつ症状が重度の脳卒中や重度の身体障害と関連していた、
というおはなし。
感想:
自分はパターン3かな。