元
インターネットの利用は高齢者の健康にとって諸刃の剣である。
インターネットの利用が高齢者の脳卒中など心代謝性疾患や死亡を予防できるかどうかについては、まだ議論の余地があるのでグローバルにしらべてみたそうな。
中国、メキシコ、米国、ヨーロッパの4つの研究を利用した。
インターネット利用は同じ質問票をもちいて判定した。
心代謝性疾患には脳卒中、糖尿病、心疾患、が含まれた。
抑うつ症状はCenter for Epidemiological Studies Depression ScaleとEurope-depression scaleを用いて評価した。
次のことがわかった。
・50歳以上の高齢者104422人が対象となった。
・インターネット利用者はデジタル拒否者とくらべて、糖尿病、脳卒中、死亡のリスクが低く、リスクはそれぞれ、0.83、0.81、0.67 であり、感度分析でも有意であった。
・インターネット使用と新規発症の心代謝性疾患および死亡との逆相関は、メキシコ、中国、米国、欧州の順で徐々に有意となった。
・例えば、ヨーロッパの高齢インターネット利用者は、心代謝性疾患リスクが14~30%、死亡リスクが40%低かった。
・これらの関連は、抑うつ症状の軽減によって部分的に媒介され、社会経済的地位の高い人や女性でより顕著であった。
・さらに、心代謝系疾患の既往がある患者では、インターネットを利用すると死亡リスクが約30%低下したが、これも抑うつ症状の軽減が介在していた。
・しかし、65歳未満、社会経済的地位の低い人、男性、独身者では、インターネット利用による心代謝系リスクが観察された。
高齢者のインターネット利用の促進で抑うつ症状を軽減でき、その結果、脳卒中など心代謝性疾患や死亡のリスクを軽減することができる、
というおはなし。
感想:
インターネットの利用が社会的なつながりと健康情報へのアクセスを促進し、健康への意識と自己管理が向上することで脳卒中の危険因子であるうつ症状が減少する、ということなんだって。
ただし、65歳未満低所得独身男性ではネット依存にはまっての運動不足からかえって危険とのこと。
はい。