元
脳卒中は、中国における死亡および後遺障害の主な原因であり、脳卒中のタイプによってその発症率に大きな地理的ばらつきがある。
慢性B型肝炎ウイルス感染は中国人成人の間で流行しており、脳卒中の原因に関与している可能性があるので、くわしくしらべてみたそうな。
China Kadoorie Biobankには、2004年から2008年にかけて中国の地理的に多様な10地域(都市部5地域、農村部5地域)から募集された30~79歳の成人500,000人以上が含まれ、
ベースライン時にB型肝炎表面抗原(HBsAg)検査がおこなわれている。
次のことがわかった。
・全体として、参加者の3.0%がHBsAg陽性であった。
・11年間の追跡期間中に、脳内出血(ICH)11318例、脳梗塞49971例、くも膜下出血995例、その他/特定不能の脳卒中3036例の、合計59117例が発症した。
・HBsAg陽性に関連する脳卒中のタイプ別ハザード比(HR)は、
・HBsAg陽性は、ICHのリスク増加と有意に関連していた。
・HBsAg陽性と脳梗塞、くも膜下出血、その他/特定不能の脳卒中のリスクとの有意な関連は認められなかった。
・肝酵素値と脂質値を測定し、HBsAgの有無で比較したところ、HBsAg陽性によるICHとの関連は肝機能異常が介在している可能性が示唆された。
中国人において、慢性B型肝炎ウイルス感染は脳内出血リスク上昇とあきらかに関連しているが、他の脳卒中タイプとは関連していなかった。この関連は肝機能障害と脂質代謝の変化を介している可能性がある、
というおはなし。
感想:
しらべると、日本人の1~2%がB型肝炎ウイルスに感染しているという。
思いのほかたかい。