元
健康な人の腸管運動パターンと認知機能との関連についてはほとんど知られていない。
腸内細菌叢がこの関連に寄与している可能性がある。
そこで、排便(bowel movement)パターンと認知機能との関連および腸内細菌叢の役割をくわしくしらべてみたそうな。
Nurses' Health Study(NHS)、NHSII、Health Professionals Follow-Up Study(HPFS)の3つの研究を活用した。
参加者は排便頻度と主観的認知機能を報告した。
全ゲノムショットガンメタゲノミクスを用いて、参加者の腸内細菌叢をプロファイリングした。
次のことがわかった。
・ベースライン時の平均年齢67.2歳を、4年間フォローした。
・1日1回の排便群に比べ、3日以上おきの排便群では、客観的認知機能が有意に悪化し、これは3.0年ぶんの認知機能の老化に相当した。
・排便頻度と主観的認知機能低下のオッズおよび主観的認知機能愁訴が多くなる可能性には、J字型の有意な用量反応関係が観察された。
・1日1回と比較して、3日以上毎および1日2回以上の排便頻度は、それぞれ1.73および1.37の主観的認知機能低下のオッズ比と関連していた。
・排便頻度と主観的認知機能低下は、マイクロバイオームデータを有する515人の参加者において、腸内マイクロバイオーム全体の構成および特定の微生物種と有意に関連していた。
・酪酸産生微生物種は、排便頻度が低く認知機能が低下している人ほど減少していた。一方、炎症性微生物種がより多く存在することは、排便頻度が1日2回以上で認知機能が低下していることと関連していた。
排便頻度の低下は認知機能の低下および酪酸産生菌の減少と関連していた。腸内細菌叢の異常がこの関連性の背景メカニズムの可能性がある、
というおはなし。
感想:
AI『腸内の酪酸産生菌を増やす方法には、食生活やライフスタイルの変更が含まれます。酪酸は、腸内細菌が食物繊維を発酵させることで産生される短鎖脂肪酸であり、腸の健康に重要な役割を果たします。以下にいくつかの方法を示します:
食物繊維は、酪酸産生菌の主要な栄養源です。全粒穀物、豆類、野菜、果物など繊維質が豊富な食品を摂取することが重要です。
プロバイオティクス(善玉菌)を含む食品やサプリメントを摂取することで、腸内の有益な細菌のバランスを改善できます。ヨーグルト、キムチ、サワークラウトなどが含まれます。
プレバイオティクスは、腸内細菌の成長を促す成分です。アーティチョーク、ニンニク、タマネギなどに豊富に含まれています。
加工食品や高糖質の食品は腸内細菌のバランスを悪化させることがあります。これらの食品の摂取を減らすことが推奨されます。
定期的な運動は腸の動きを良くし、腸内環境を改善することが知られています。
水分を十分に摂ることで、腸内の発酵過程が効果的に行われ、酪酸の生成が促されます。
これらの方法を組み合わせることで、腸内の酪酸産生菌の増加と腸の健康維持を支援することができます。』