元
いっぱんに、急性脳卒中患者では血圧が上昇する。
このとき降圧治療を始めるタイミングについては研究ごとに結論が一貫していない。
そこで、すぐに降圧治療を始めた場合と、8日目以降に開始した場合とでの転帰を大規模にくわしくしらべてみたそうな。
2018年6月13日~2022年7月10日に中国の106病院で調査がおこなわれた。
症状発現から24~48時間以内の急性脳梗塞で、収縮期血圧が140mmHg以上220mmHg未満の患者4810例(40歳以上)を対象とした。
患者はすぐに降圧治療を受ける早期群と、8日目から治療を受ける遅延群群にランダムにわけられ、平均血圧140/90mmHg未満を目標とした。
すでに降圧薬を使用していて発症した遅延群では7日間薬を停止した。
90日後の障害度mRS3-6の転帰不良者の割合を比較した。
次のようになった。
・2413例が早期治療群に、2397例が遅延治療群に割り付けられた。
・平均収縮期血圧はランダム化後24時間以内に早期治療群で9.7%低下し、遅延治療群では4.9%自然に低下した。
・7日目の平均収縮期血圧は早期治療群で139.1mmHg、遅延治療群で150.9mmHgであった。
・さらに、早期治療群では54.6%、遅延治療群では22.4%の患者が7日目の血圧が140/90mmHg未満であった。
・90日目の時点で、早期治療群では289人(12.0%)が死亡など転帰不良であったのに対し、遅延治療群では250人(10.5%)であった。
・脳卒中の再発や有害事象については、両群間に有意差はみられなかった。
急性脳梗塞患者への早期の降圧治療は、90日後の死亡や転帰不良のリスクを低下させなかった。むしろ有害かもしれない、
というおはなし。
感想:
脳への血の巡りがわるくなっているときに圧力を下げると、良いことはなにもないどころかもっとひどくなるかも、ってこと。
そんなことだろうと思って降圧薬は8年まえに勝手にきっぱりとやめた。