元
脳梗塞の再発予防には、抗血小板薬の使用が勧められている。
ガイドラインでは、短期的には二剤併用抗血小板療法(DAPT)も推奨される。
しかし、大出血リスクが高まるためDAPTや三剤併用抗血小板療法(TAPT)の長期使用は推奨されていないし、再発予防の効果も証明されていない。
そこで、単剤抗血小板療法(SAPT)中に脳梗塞になり、二剤、三剤併用の抗血小板療法に変更した患者のその後の再発、大出血をくわしくしらべてみたそうな。
2007-2014年に心原性でない脳梗塞になった患者で、一次または二次予防としてSAPT中だった患者を対象とした。
その後の投薬情報からSAPTを継続した群、DAPTになった群、TAPTになった群に分け、1年間の脳梗塞の再発、脳内出血を含む大出血の発生との関連を解析した。
次のようになった。
・9284例中、SAPTを継続したのは5565例(59.9%)、DAPTを行ったのは3638例(39.2%)、TAPTを行ったのは81例(0.9%)であった。
・複数の抗血小板療法は1年間の脳卒中再発リスクを減少させなかった。
すでに抗血小板療法を受けている脳梗塞患者への抗血小板薬の追加使用は、命にかかわる大出血合併症のリスクを増加させたものの、脳梗塞再発率を減少させなかった、
というおはなし。
感想:
血液サラサラ薬の再発予防効果は、
「病人はおおきなリスクを取って当然」という暗黙の了解に乗じて、副作用の影響を無視することによって得られたもの↓。
AI「脳梗塞患者の治療において、血液をサラサラにする薬の投与は一般的な対応とされています。これは患者が再発を防ぐために求める治療の一部であり、医師からも推奨されます。ただし、副作用のリスクについては、場合によっては十分な議論が行われないこともあります。
サラサラ薬を服用した結果、患者が脳内出血で亡くなったとしても、一部の意見では、これを脳梗塞の再発防止のための必要な措置と捉え、治療の一部として受け入れられます。
しかし、これはあくまで再発防止の効果を前提とした視点であり、危険性を軽視しているという意見もあるのです。
健康な人々に対する一次予防としてサラサラ薬を使用するという行為は、通常は行われません。この理由としては、健康な人々に薬を投与すると、副作用のリスクが明確に現れ、その危険性が目立ってしまうからとされています。」