元
未破裂および破裂脳動静脈奇形(AVM)に対する第一選択治療としての完全切除術(MS)とガンマナイフなどの定位放射線術(SRS)のリスクとベネフィットについてくわしくしらべてみたそうな。
全国多施設登録から、MSまたはSRSを受けた全AVM患者を対象とした。
MS群とSRS群の患者条件を揃えるために傾向スコアマッチ法を用いた。
長期の脳出血または死亡、および完全消失率、神経学的転帰について比較した。
次のようになった。
・2011年8月から2021年12月までに登録された全4286例のAVMのうち、1604例が適格であった。
・マッチング後、244例の未破裂AVMと442例の破裂AVMが最終解析に残った。
・平均追跡期間は未破裂群で7.0年、破裂群で6.1年であった。
・SRSは未破裂AVMと破裂AVMの両方で脳出血または死亡の高リスクと関連していた。
・SRSは長期的なAVMの完全消失率においてまったく不利であることが確認された。
・しかし、SRSは神経機能低下を予防する利点があることに留意すべきである。
AVMに対する完全切除術と定位放射線術の長期転帰を比較した結果、完全切除術は将来の出血や死亡を予防し、AVMの完全消失を達成するうえでより効果的ではあるが、神経機能低下のリスクは無視できないものであった、
というおはなし。
感想:
さいきんARUBAトライアルによって、脳AVMは手術しないでそっと見守ることがどの介入よりも優れた最善の治療であることがあきらかになってしまった。
この事実に危機感をおぼえた医師たちによるささやかな抵抗が観察されている↓。