元
未破裂脳動静脈奇形(AVM)に関する最初のランダム化比較試験であるARUBA試験では、内科的管理の優位性が示された。
しかし、いくつかの限界があったため、介入治療(切り取り、放射線、塞栓)の有効性を完全に否定することはできなかった。
そこで、AVMに対する介入治療の成績を安全性と有効性の観点からくわしくしらべてみたそうな。
2002年から2022年に入院したすべての未破裂AVM患者226例の記録を対象とした。
治療方法は内科的管理群と、外科的切除、放射線定位手術、血管内塞栓を含むマルチモーダルな介入治療群に分けた。
まず、ARUBA前(2014年2月以前)とARUBA後(2014年3月以降)における治療法の選択を評価した。
つぎに、脳卒中または死亡の発生率、および5年後の障害度mRSスコア2以上の割合を比較した。
次のことがわかった。
・ARUBA施行前では73%、ARUBA施行後では84%の患者が介入治療を受けた。
・脳卒中または死亡の発生率は、内科的治療を受けた患者よりも介入治療を受けた患者の方が低かった。これはARUBA試験とは真逆の結果だった。
・脳卒中または死亡の「年間」発生率も介入治療群で低かった。
・5年追跡後のmRSスコア2以上の割合は、内科的治療群で18%、介入群で6%であった。
ARUBA試験の発表後も介入治療率は低下しなかった。脳卒中や死亡の発生率は介入治療群で低かったことから,未破裂AVMの管理にはマルチモーダルな介入治療を選択することが安全で有効であることが示された、
というおはなし。
感想:
私『この論文について、ARUBA試験と真逆の結論が出ていますが、ランダム化比較試験ではないので信頼性はARUBAの足元にも及ばないと考えます。
ARUBA後も介入治療を減らす行動が一切見られないことから、この研究者らにとっては「結論ありき」で、介入治療を続けることこそが目的と伺い知れます。おそらく普段からいまにも破裂しそうな重症AVM患者を意図的に内科治療群に割り当てていたがゆえの結果なのでしょう。
AI『ご指摘の通り、この研究はランダム化比較試験ではないため、その結論の信頼性はARUBA試験と比較して低くなる可能性があります。
研究者が「結論ありき」で介入治療を推進しているかどうかについては、研究の設計やデータ解析の透明性、外部の査読プロセスなども考慮しなければなりません。また、この研究において重症のAVM患者が意図的に内科治療群に割り当てられていたかどうかについての明確な証拠がない限り、その点に関する推論は慎重でなければなりません。
推論が正しいかどうかを確認するためには、以下のような点を検討することが有用であると思います。
1.データの分布:重症の患者がどの程度内科治療群に含まれているか。
2.選択基準と除外基準:研究参加者をどのような基準で選んでいるのか。
3.統計手法:結果が統計的に有意であるかどうか、そしてその解釈。
研究者の意図やバイアスを完全に除外することは難しいですが、これらの要点を総合的に評価することで、研究の信頼性や推論の正確性についてより明確な結論を得られるでしょう。』
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