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2023年9月26日

脳卒中経験者必見!突然の「PSR」とは?

2023  9月  中国


脳卒中経験者において、あらたな脳組織の壊死を伴うことなく局所神経症状が突然現れることがあり、「既往脳卒中症状再燃(post-stroke recrudescence:PSR)」と呼ばれている。

PSRは脳卒中の再発とは異なり、脳にあらたな梗塞が見つかるわけではないので、一過性脳虚血発作(TIA)や脳卒中模倣症状(stroke mimic:SM)と区別がつきにくい。

そこで、PSRの有病率、発生率、臨床的特徴、転帰をくわしくしらべてみたそうな。



2020年10月から2022年2月にかけて、脳卒中が疑われた患者1114人をスクリーニングした。

3ヵ月時点での障害度mRSスコアが0~2点として定義される機能的自立を得た患者の割合、および早期神経学的改善(ENI:NIHSSスコアの2点以上の改善)、3ヵ月以内の死亡率、3ヵ月以内の脳卒中再発をしらべた。


次のことがわかった。

・1114人がスクリーニングを受け、脳梗塞による患者959例とMRI検査のない30名を除外した。

・残りの125例を対象とし、そのうちPSR27例(2.4%)、一過性脳虚血発作(TIA)50例(4.5%)、脳卒中模倣症状(SM)48例(4.3%)が同定された。

・PSR患者ではTIA患者に比べて入院時の感染症の頻度が高く、3ヵ月後の機能的自立の割合が低かった。

・TIA患者はPSRおよびSM患者と比較して早期神経学的改善ENIの頻度が高かった。

・PSR患者では、SM患者と比較して白質にMRIで複数の高信号領域がみつかる頻度が高かった。


既往脳卒中症状再燃は、脳卒中症状を呈する患者の中ではまれではなく、臨床的特徴とトリガー(感染症)の組み合わせに基づいて一過性脳虚血発作や脳卒中模倣症状と区別できる。既往脳卒中症状再燃患者の神経学的障害は、トリガー(感染症)の消失後数日以内に消失することが多い、


というおはなし。
既往脳卒中症状再燃

既往脳卒中症状再燃

既往脳卒中症状再燃

既往脳卒中症状再燃


感想:

「既往脳卒中症状再燃」はきいたこともなかった。

ようするに、いちど脳卒中やった人にもTIAやSMは起こりうるってこと。

いわれてみればそうなんだけど、MRIで脳に昔の傷が見えるわけで、そっちのせいにしないでいられるものだろうか、、、と思った。




AI『脳卒中の既往がある人において、一過性脳虚血発作(TIA)、ストローク模倣症状(SM: Stroke Mimics)、および既往脳卒中症状再燃(PSR: Post-Stroke Recrudescence)が発生した場合、これらを正確に区別することは非常に重要ですが、診断は複雑な場合もあります。

区別の方法
症状の持続時間: TIAは短時間で解消することが多いですが、PSRやSMは症状が持続する場合があります。
画像診断: MRIやCTスキャンは、新たな脳の損傷と既存の損傷を区別するのに役立ちます。
臨床的特徴: PSRは通常、特定のトリガー(例:感染症、体温の変動など)によって引き起こされます。
神経学的評価: NIHSS(National Institutes of Health Stroke Scale)などの神経学的スケールを用いて症状の重症度を評価します。

昔の脳の損傷との関係
TIA: 通常、新たな虚血が原因ですが、既存の脳損傷がある場合、より高度な評価が必要です。
SM: これはストロークとは異なる疾患や状態が原因であり、既存の脳損傷とは通常関係ありません。
PSR: これは既存の脳損傷が再燃する形で症状が出ることが多く、特定のトリガーによって引き起こされる場合があります。
既存の脳損傷が新たな症状の原因であるかどうかを確認するためには、専門の医療評価が必要です。具体的な症状や状況に応じて、MRIや血液検査、その他の診断手段が用いられることがあります。

以上のように、脳卒中の既往がある場合でも、TIA、SM、PSRを区別するための多角的な評価が可能です。ただし、これには専門の医療機関での詳細な診断と評価が必要です。』




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