元
脳卒中後の歩行回復を目的としたロボット支援トレーニングの利用については、数多くの研究が報告されている。
しかし、脳卒中患者の歩行機能、特に慢性期の歩行機能に対する外骨格ロボット支援トレーニング(ERAT:exoskeleton robot-assisted training)の有効性については、まだ一貫した結論は得られていない。
そこで、慢性期脳卒中患者の歩行機能に対するERATの有効性をしらべるため、システマチックレビューをこころみたそうな。
2022年12月までの、ランダム化比較試験を厳選して、データを統合 再解析した。
次のようになった。
・278件の研究のうち、計10件(n=323、平均年齢57.6歳、男性63.2%)が対象となった。
・Cochrane risk of biasによると、これらの研究は、バイアスリスクが低いと評価された。
・6つの研究では、歩行パフォーマンス、バランス機能、身体持久力を含む歩行機能に対するERATの好ましい効果が報告されており、対照群と比較してERAT群が有意に優れていた。
・いっぽう、他の4つの試験では、ERATの効果は従来リハビリと同等かむしろ劣っていた。
・すべての試験で重篤な有害事象は認められなかった。
外骨格ロボット支援トレーニングは、慢性期脳卒中患者の歩行機能を改善するための効率的な介入となる可能性がある。しかし、確かなエビデンスを得るためには、より厳密にデザインされた試験が必要である、
というおはなし。
感想:
脳卒中患者の歩行困難はバランス能力の問題なのに、パワーアシストしか能のない外骨格ロボットが役に立つはずがない。実験しなくてもわかる。
じっさい転倒の危険性が高いためそれらはまともな研究者には相手にされていない↓。
外骨格とはいいながら、全身を吊り下げる体重支持装置を組み合わせたトリックを使いポジティブな結論を導き出している研究がすくなくない。
Lokomat というロボット例がこのレビューにいくつも含まれそれに該当する。