元
脳動脈瘤は脳出血のおもな原因のひとつである。
しかし精神的な健康障害が脳卒中リスクを高めるメカニズムはわかっていない。
そこで、精神疾患と動脈瘤およびくも膜下出血との関係をくわしくしらべてみたそうな。
全米退役軍人会の集団を対象とした症例対照研究をおこなった。
動脈瘤または動脈瘤性くも膜下出血の経験者と、年齢、性別のマッチする10倍人数の対照群を設けた。
4つの精神疾患の有無を調査し関連を解析した。: 心的外傷後ストレス障害(PTSD)、大うつ病性障害(MDD)、全般性不安障害(GAD)、その他の気分障害。
次のことがわかった。
・少なくとも5年間登録されていた6320789人の米国退役軍人において、2005/1/2~2019/12に動脈瘤のみの症例35094例と動脈瘤性くも膜下出血例5749例を同定した。
・性別、高血圧、タバコの使用で調整した解析では、動脈瘤患者はマッチさせた対照群と比較して、PTSD、MDD、GAD、その他の気分障害の経験を有する可能性が有意に高かった。
・同様に、動脈瘤性くも膜下出血患者は対照群と比較して、PTSD、MDD、GAD、その他の気分障害の経験を有する可能性が有意に高かった。
大規模研究の結果、精神疾患(PTSD、うつ病、不安障害、気分障害)と脳動脈瘤およびくも膜下出血とのあいだにあきらかな関連が認められらた、
というおはなし。
感想:
メカニズムとして、高血圧、炎症、酸化、免疫調節と社会心理的ストレスがなんだかんだでどうのこうのらしい。
未破裂瘤患者が不安をあおられ、まったく必要性の理解できない手術を承諾してしまう背景にはこのような精神的脆さがあるのかもしれんね。