元
脳卒中関連肺炎(SAP)は、脳梗塞患者の7-38%がかかるとされ、重篤な障害や死亡のリスクを高めると考えられている。
最近の研究では、栄養状態の改善が全身性の炎症レベルの低下つながることが示されている。
栄養不良とSAPとの関連についての研究は少ないので、くわしくしらべてみたそうな。
2020年1月から2020年12月までのREtrospective Multicenter study for Ischemic Stroke Evaluation(脳梗塞評価のための多施設共同研究:REMISE)の5つの三次病院の救急部の患者を対象とした。
栄養不良は、CONUT(Controlling Nutritional Status)、GNRI(Geriatric Nutritional Risk Index)、PNI(Prognostic Nutritional Index)の3種類の基準に従って評価した。
次のようになった。
・915例の脳梗塞患者が登録され、そのうち193例(14.75%)、495例(54.1%)、148例(16.2%)がそれぞれPNI、CONUT、GNRIスコアによる栄養不良であった。
・栄養不良が、SAPリスクの上昇と関連しており、PNI、CONUT、GNRIのいずれの評価においても有意な関連をしめした。
・さらに、SAPリスク評価に用いられるA2DS2(Age, Atrial fibrillation, Dysphagia, Sex, Stroke Severity)スコアに栄養不良評価を追加すると、ROC解析によるSAPの予測能力が有意に改善した。
栄養不良は脳梗塞患者におおくみられ、脳卒中関連肺炎のリスク上昇と独立に関連していた、
というおはなし。
感想:
A2DS2スコアをはじめて知った。