元
コイル塞栓術は脳動脈瘤にたいする主な治療法の1つである。
コイルの逸脱(Coil migration)は、0.3-6%に発生する合併症である。
逸脱したコイルは血流を妨げる血栓を形成して脳梗塞の原因となる。
こんかい、手術の2週間後にコイルの逸脱がみつかり、開頭してコイルを除去した事例があったそうな。
次のようになった。
・47歳の日本人女性が神経症状のない頭痛で入院した。
・9.7mmの動脈瘤をともなうくも膜下出血と診断された。
・術後14日目の検査で、コイルのおおきな逸脱が認められた。
・抗血栓薬を14日間続けたのち、開頭手術をおこなうこととした。
・さらに動脈の別箇所も切開してコイルの完全除去に努めた。
・切開部を縫合したのち、動脈瘤にクリップをはめた。
・患者には動眼神経麻痺が生じたが12日後には退院させた。
・15ヶ月後、動脈瘤の再発はなく、動眼神経麻痺にも改善がみられた。
脳動脈瘤へのコイル塞栓術後のコイル逸脱管理にガイドラインはないが、こんかい開頭手術によりコイル回収ができた。しかし手術による合併症で神経麻痺が残った、
というおはなし。
感想:
くも膜下出血の動脈瘤治療ではクリップやコイルをはめたときに、はめない場合にくらべて再出血率や死亡率が低下することを証明できる臨床試験結果がこの世に存在していない。
まともな根拠に基づいた治療ではないため医療事故が絶えず、