元
脳梗塞でのカテーテルによる機械的血栓除去術の失敗(MTF)は症例の約15%にみられる。
そこで、MTFを予測する因子をくわしくしらべてみたそうな。
Stroke Thrombectomy and Aneurysm Registryから、大血管閉塞(LVO)に対して機械的血栓除去術(MT)を受けた患者の記録を抽出し、
再灌流評価スコアmTICIが2b以上をもって 成功(MTS)とした。
次のことがわかった。
・合計6780例の患者が対象となり、1001例が前方循環MTFを経験した。
・MTF群の患者は病前の障害度スコアmRSの不良率が高かった。
・MTF群とMTS群では、アクセス部位、使用するテクニックやデバイスに有意な違いは認められなかった。
・MTF群では、脳内出血がおおく、頭蓋切除に至る割合があきらかに高く(10% vs 2.8%)、さらに多くの合併症も発生した(14% vs 5.8%)。
・治療前のmRS不良、血栓除去試行回数の増加、手術時間の延長がMTFと有意に関連していた。
・後方循環閉塞ケースの解析でも、試行回数の増加と手術時間の延長がMTFのオッズ上昇と有意に関連していた。
・再灌流の失敗がステント術への変更により回避されるケースもあった。
脳梗塞での血栓除去術の失敗は合併症の増加と転帰の悪化に関連する。失敗した場合、重度の脳内出血により頭蓋切除が必要になるケースが少なくなかった、
というおはなし。
感想:
単に再灌流の失敗ではなく、動脈を突き破って事態悪化に陥るの意味と理解した。
しくじり率15%は恥ずかしくないのか。これは前方循環系の失敗だけなので、後方循環系のそれも加えたらもっと高い数値になる。
なぜ、こんな治療が野放しなのか?
これ↓を読めば納得できる。