元
脳卒中と腸内細菌叢との関係について、過去20年間の研究から、キーワード、注目のテーマ、今後の動向についてレビューしてみたそうな。
2002-2021年の関係する論文660件が対象となった。
次のようになった。
・腸内細菌叢は、人間の健康に大きな影響を与える。腸内には数兆もの細菌が存在し、これらの細菌は神経伝達物質の合成、活性代謝物の生成(例えば、短鎖脂肪酸やTMAO)、免疫系の活性化調節などを通じて、疾患の全過程、特に脳卒中の予後に影響を与える。
・脳卒中は、腸の動きを減少させ、腸の透過性を増加させ、腸内細菌叢のバランスを乱すなど、消化器系の機能不全を引き起こす。
・脳卒中と腸内細菌叢の関連性についての研究は文献計量学的に、2002年から2021年までの間に増加している。
・脳卒中後の腸内細菌叢の不均衡は、脳への二次的な損傷や運動障害を悪化させる。脳卒中のストレスにより、腸内細菌の移動、腸内細菌叢の多様性の低下が起こり、これが脳梗塞の体積の増大という不良な結果をもたらす。
・脳卒中と腸内細菌叢の関連性についての研究は、炎症と免疫、TMAO、糞便移植などの研究領域にフォーカスされている。
・脳卒中後の免疫系の過剰活性化は、脳への二次的な損傷を引き起こす。 腸内細菌叢は、脳卒中のリスク増加に関与している。特に、高血圧やメタボリックシンドロームなどの疾患は、腸内細菌叢の不均衡と関連している。
・腸内細菌叢は、脳と相互作用を持つ脳腸軸の一部であり、この脳腸軸の不均衡は、脳卒中のリスクを増加させる。
・糞便細菌移植は、腸内細菌叢の不均衡を修正し、脳卒中のリスクを減少させる可能性がある。
・腸内細菌叢は、体内の代謝を調節し、特に短鎖脂肪酸の生成に関与している。これらの短鎖脂肪酸は、腸の健康を維持し、炎症を抑制し、脳卒中のリスクを減少させる可能性がある。
・TMAO(トリメチルアミン-N-オキシド)は、腸内細菌叢によって生成され、心血管疾患のリスクを増加させる可能性がある。
今後10年間で、年間論文数は大幅に増加する可能性がある。研究動向は、脳卒中と腸内細菌叢の炎症・免疫学的メカニズム、TMAO、糞便移植が注目テーマとなる傾向がみられた、
というおはなし。
感想:
さいきん食欲がないんよ。