元
新たにがんと診断された患者は、脳梗塞になるリスクが高いことがわかっている。
脳梗塞のあとあらたにがんと診断された患者と、あらかじめがんがあることがわかっていた脳梗塞患者とで、予後がどのように異なるのかはあきらかになっていないので、
それらがんの診断時期の違いと長期転帰および死亡率をくらべてみたそうな。
スイスローザンヌの2003-2021年の脳卒中登録データから、
脳梗塞で入院中またはその後12ヶ月以内にがんが確認された患者(NC)と、
もともとがんがあることを知っていてのちに脳梗塞になった患者(KC)を抽出した。
次のようになった。
・脳梗塞患者6686人のうち5.4%362人ががんを有しており、そのうちの1.5%102人がNCタイプだった。
・消化器系および泌尿器系のがんがもっともおおかった。
・がんのある脳梗塞患者のうち、42.5%152人の脳梗塞はがん関連と分類でき、その約半数は血液の凝固亢進によるものと考えられた。
・NC患者はKCに比べて、脳梗塞まえの障害が少なく脳卒中やTIAの既往も少なかった。
・脳梗塞から3か月後のmRSスコアは両群で似ており、転移がんとくに脳への転移の有無で決まっていた。
20年間の記録から、脳梗塞の5.4%ががんを有しており、その4分の1は脳梗塞の入院中もしくはその後12ヶ月以内にがんが診断されていた。新規にがんがみつかった患者は1年後の死亡率がとても高かった、
というおはなし。
感想:
この論文のNCタイプもおなじく、進行の速いがんってことと理解。