元
認知機能障害は、くも膜下出血(SAH)後によくあり日常生活に悪影響を及ぼす。
そこで、動脈瘤破裂によるくも膜下出血(aSAH)と、動脈瘤がみつからないアンギオ陰性くも膜下出血(anSAH)の患者に分けて、
くも膜下出血後の認知機能の長期経過と不安やうつ、認知機能への不満、職場復帰との関連をくわしくしらべてみたそうな。
aSAH患者58名とanSAH患者22名について、作業記憶、精神運動速度、注意・実行機能の神経心理学テストを行い、認知機能を長期にフォローした。
次のことがわかった。
・2-4年後、anSAHの患者は精神運動速度(思考や知覚の結果として生じる身体の動きや反応の速度)において有意に悪いスコアだった。
・aSAHとanSAHの患者のいずれも、慢性期になっても認知機能の主観的不満(認知愁訴)、不安、うつを訴える者がかなりいた。
・客観的認知機能スコアは、両群で認知愁訴と有意な関連はなかった。
・一方、認知愁訴は、両SAH群で長期的な不安やうつと関連していた。
・また、aSAH患者において、認知愁訴の多さは職場復帰の困難さと関連していた。
くも膜下出血では動脈瘤性やアンギオ陰性にかかわらず、認知障害がみられ慢性期まで持続した。さらに、認知愁訴に関連した不安やうつの悪化があるので心理的苦痛への配慮が必要である、
というおはなし。
感想:
アンギオ陰性くも膜下出血は動脈瘤が見つからないのでクリップやコイルはできない。
クリップ治療をすると認知機能に大ダメージを負う↓。