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すべての医師は医療過誤訴訟のリスクにさらされているが、外科系専門医とくに脳神経外科医はそのリスクが高い。
頭蓋内出血(脳内出血、くも膜下出血)は命にかかわる疾患であり誤診がおおいことから、頭蓋内出血の症例における訴訟との関連要因をくわしくしらべてみたそうな。
オンライン法律データベースWestlawを利用して、1985-2020年の頭蓋内出血管理に関する公的訴訟事例を抽出し、分析した。
次のことがわかった。
・もっともおおい出血の種類はくも膜下出血(65.3%)で、原因は脳動脈瘤と血管奇形(37.2%)だった。
・病院や医療機関を相手取ったケースが最も多く(60.3%)、次いで救急医(33.1%)、かかりつけ医(10.7%)、脳外科医(6.6%)の順だった。
・訴訟の理由としては、診断ミスが最も多かった(84.3%)。
・訴訟結果は、弁護側に有利な判決が最も多く(48.8%)、次いで示談(35.5%)だった。
・原告は、原告勝訴の判決では、弁護側勝訴の判決よりも有意に若かった。
・また、原告側に有利な判決が下されたケースでは、神経科医が関与している場合が有意に高かった。
頭蓋内出血で医療過誤訴訟に至ったケースのおおくはくも膜下出血だった。ほとんどのケースは病院全体に対して提起され、誤診がもっともおおい訴訟理由だった。原告が勝訴するのは若い場合、神経科医が関与する場合、がおおかった、
というおはなし。
感想:
くも膜下出血治療はおかしなことだらけだから、トラブルになるのは当然とおもう。