元
脳卒中患者における姿勢制御能力の回復は、最も重要な治療目標の1つである。
そこで、上肢を使ったタッチコンタクトをともなう姿勢制御エクササイズをおこなった群と、上肢を使わない姿勢制御エクササイズ群の間で、機能的自立度FIMの違いをくわしくしらべてみたそうな。
2016-2018年にリハビリテーション入院した脳卒中患者について、
姿勢制御エクササイズの際に、ベッドレールを掴んで座る、平行棒を掴んで立つ歩くなど、上肢によるタッチコンタクトの有無にしたがって2群に分け、入退院時の機能的自立度FIMとの関連を解析した。
次のようになった。
・上肢使用群120人と上肢不使用群50人が対象になった。
・上肢不使用群では、入退院時のFIM運動機能の変化量および歩行獲得率が有意にすぐれていた。
・とくにFIMの運動項目のうち、9項目(入浴、上半身の着脱、下半身の着脱、排泄、移乗[ベッド、椅子、車椅子]、移乗[トイレ]、移乗[浴槽またはシャワー]、ロコモーション、階段昇降)で顕著だった。
・上肢によるタッチコンタクトがある状態でのエクササイズは、予期的姿勢調整(anticipatory postural adjustment:APA)の再学習の妨げになる可能性が考えられた。
上肢によるタッチコンタクトを使わない姿勢制御エクササイズは、姿勢制御能力を向上させ、長期的観点から有益であると考えられた、
というおはなし。
感想:
これはただしい。
足の裏の感覚を研ぎ澄ますことこそがたいせつ。