元
小脳梗塞は脳梗塞の2-3%を占め、死亡や障害が残る可能性が高い。
おもな症状はめまい、吐き気、運動失調などであり、脳卒中と認識されることが容易ではなく、誤診もおおい。
その病因は、アテローム性動脈硬化がおおく、心塞栓症、椎骨動脈解離とつづく。
小脳梗塞患者の症状と予後を橋梗塞の場合とくらべてみたそうな。
2012-2014年のドイツリューベック大学神経科での小脳梗塞43人と橋梗塞36人を対象とした。
次のようになった。
・小脳梗塞は橋梗塞患者よりも1時間早くに救急外来にあらわれた。
・小脳梗塞にとくにおおかった症状は、構音障害(67%)、協調運動障害(61%)、四肢脱力(54%)、 めまい (49%)、起立・姿勢不安(42%)、吐き気・嘔吐(42%)、眼振(37%)、嚥下障害(30%)、頭痛(26% )、だった。
・44%19人は症候性の狭窄、2人の患者は椎骨動脈解離を有していた。
・9%4人はrt-PAによる経静脈血栓溶解療法を、3人は機械的血栓除去術をうけていた。
・3ヵ月後、12%5名が死亡し、40%15名がmRS3-5の後遺症を有していた。
小脳梗塞は症状のばらつきがおおきい。片側の顔腕口のしびれがなくても注意が必要である、
というおはなし。
感想:
構音障害がおもな症状とはしらなんだ。
構音障害には "articulation disorder" と "dysarthria" があって、こんかいは "dysarthria"で神経系由来はこっちらしい。