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潜因性脳梗塞は、原因が不明または競合する原因が2つ以上ある場合を指し、脳梗塞の25-40%を占める。
大部分は塞栓元不明のESUSとよばれる状態で、おもに心房細動や卵円孔開存が疑われる。
脳梗塞の再発予防は原因をただしく特定することが重要なので、潜因性脳梗塞の原因を解明するべく患者を12ヶ月間しらべてみたそうな。
潜因性の脳梗塞またはTIAの患者250人を対象に、埋込み型心電モニターも用いて12ヶ月間検査フォローした。
次のことがわかった。
・43%の患者で脳卒中の原因があきらかになったが、57%は依然として不明だった。
・心房細動と心房粗動が29%を占めもっともおおかった。
・14%はその他の原因(小血管疾患、主幹動脈アテローム性動脈硬化、高凝固状態、別の心塞栓症)だった。
・さいごまで原因がわからなかった患者の特徴は、若く、入院時の再発リスクCHA2DS2-VASc スコアが低く、退院時の神経症状NIHSSスコアが低かった。
・潜因性脳梗塞には喫煙者がおおく、脂質異常症はすくなかった。
・再発率は、7.7% vs. 2.8%で潜因性患者で高かった。
潜因性脳梗塞の患者の29%は心房細動または心房粗動であり、1年間検査しても半数以上の原因はわからなかった、
というおはなし。
感想:
若くて脂質異常もないのに心臓の不調やよくわからない理由でおきる脳梗塞が全体の4割くらいを占める。
だから脳梗塞は食べ過ぎと運動不足が招く自業自得の病という認識は正しくない。