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小脳の脳卒中は全体の2-3%を占め、大脳の脳卒中にくらべて死亡率がほぼ2倍である。
症状は、めまい、吐き気、嘔吐、歩行障害、頭痛、難聴などで他の疾患と重なるため誤診が起きやすい。
その特徴をレビューしてみたそうな。
・誤診された例と正しく診断された例を比較した過去の研究では、めまいや頭痛の頻度に差はなかった。とくに若く血管危険因子が少ない患者で診断が難しかった。
・画像診断技術の進歩により小脳の脳卒中の診断ははるかに容易になった。小脳梗塞はMRIで、出血はCTが必要になる。
・しかし小脳の脳卒中の症状には特徴がないため、医師は画像検査のオーダーをせず見逃されることがよくある。
・過去の研究では、吐き気や嘔吐がある場合は誤診につながることがおおく、
構音障害や視覚異常、局所の筋力低下がみられる場合には正しい診断がつくことがおおかった。
・小脳の脳卒中はめまいとして誤診されることがおおく、二次予防の欠如が再発リスクを高める。その結果、脳幹の梗塞に進行する場合もある。
・出血の場合は梗塞よりも昏睡におちいりやすく予後がわるい。
・正しく診断され、初期に適切な治療とリハビリテーションを受けた患者は優れた機能回復を示すとする報告もある。
小脳の脳卒中は発症率は低いものの、全体として死亡率が高く、生存者の50%はなんらかの永続的障害を負う。しかし特別な症状を示すことが少ないため、しばしば脳卒中の可能性が見過ごされ誤診に至り予後が悪化する、
というおはなし。
小脳高速
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