元
脳内出血の血腫拡大は、最初の3時間に起こるので早期の血圧管理が注目されている。
近年、高齢化により抗血栓療法併用者が増加していることから、入院直前血圧と抗血栓療法の有無が脳内出血転帰に及ぼす影響をくわしくしらべてみたそうな。
2012-2019年の脳内出血患者のうち、入院直前血圧記録のあるすべての患者を対象とした。
次のことがわかった。
・60%が抗血栓療法を受けていて、内訳は33%が抗血小板療法、22%が抗凝固療法、5%が両方だった。
・抗血栓療法を受けていた患者は、つぎのいずれの項目も有意に高かった(悪かった);院内死亡率、退院時のmRSスコア、90日後死亡率、初期血腫体積、血腫拡大率。
・入院直前の血圧中央値は180/100mmHgであり、抗血栓療法の有無で差はなかった。
・入院直前の血圧が高い場合は、抗血栓療法を受けていた患者にあきらかに不利な結果をもたらした。
脳内出血患者の60%は抗血栓療法を受けていて、抗血栓療法なしにくらべてあきらかに転帰が悪かった。とくに早期の血圧の影響を受けやすかった、
というおはなし。
感想:
すこしまえまでは脳内出血に占めるサラサラ薬使用者の割合は半数切るくらいだったんだけど、ついに6割を超えた。
新薬発売のタイミングで適用基準がなぞの力で拡大解釈されて、サラサラ薬使用者と脳内出血が急増中という↓。