元
脳卒中後の運動機能障害にたいする伝統中国医学および西洋医学のリハビリテーション技術の効果をくらべるべく、
ネットワークメタアナリシスをこころみたそうな。
2022年までの関係するランダム化比較試験を厳選し、データを統合 再解析した。
次のことがわかった。
・患者5128人を含む74のランダム化比較試験がみつかり、9つのリハビリテーション技法(鍼、太極拳、神経筋電気刺激(NMES)、バイオフィードバック療法、バーチャルリアリティ療法(VR)、ミラー療法、反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)、経頭蓋直流電気刺激(tDCS)、一般療法)が対象となった。
・運動機能全般を評価する 「Fugl Meyer assessment」 の観点での効果の順は、
バイオフィードバック療法 > ミラー療法 > rTMS > 鍼 > tDCS > 太極拳 > 一般療法、であり、
・上肢機能の 「action research arm test」 的には、
VR> tDCS > rTMS > ミラー療法 > 一般療法、であり、
・下肢のバランス能力 「Berg Balance Scale」 的には、
鍼 > VR > NMES > ミラー療法 > 一般療法 > tDCS、の順であった。
全体としてバイオフィードバック療法がもっとも効果的であり、バーチャルリアリアリティ療法は上肢機能に、鍼は下肢バランス機能の改善にすぐれていた、
というおはなし。
感想:
これら9つのリハビリテーション方法は効きの程度が似通っているからこそ比較対象になっている。
「鍼」には数千年の歴史があると言いながら、いまだまともなエビデンスをみたことがない。
「tDCS」や「rTMS」の発想は前世紀の電気ショック療法そのものであり、さいきんは興味を失い記事にする気もない。
ほかの方法も推して知るべしかと。