元
脳卒中後の栄養不良は、嚥下障害による摂取量の減少により起こりやすいと考えられている。
しかし脳卒中に関係した代謝変化により栄養不良が生じる可能性もあるので、亜急性期環境下で嚥下障害の有無に関係なく血中栄養素濃度をくわしくしらべてみたそうな。
脳梗塞患者のうち、嚥下障害のある36人と嚥下障害のない49人および年齢性別のマッチした健常者を対象とした。
次のようになった。
・脳卒中患者の半数以上が栄養不良にあり、とくに嚥下障害群におおかった。
・空腹時のビタミンB1,B2,B6,A,D,Eセレン、コリン、コエンザイムQ10、アルブミン、プレアルブミン、トランスフェリン、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸の血中濃度はすべて、健常者よりも脳卒中患者で低く、嚥下障害の有無によらなかった。
・カロリー、タンパク質などのマクロ栄養素、水分摂取量もまた、健常者よりも脳卒中患者で少なかった。
・予想通り、QoLやADLスコアもまた脳卒中患者が低かった。
脳卒中亜急性期の患者は、嚥下障害の有無にかかわらず、タンパク質やカロリーのみならず微量栄養素の不足も高い頻度でみられることがわかった、
というおはなし。
感想:
もとからの栄養不良の可能性にくわえて、脳卒中による炎症反応や腸内細菌叢の異常、も関係していると言ってる。
だから食べさせればいいってもんでもないみたい。