元
これまで、脳卒中後の復職に関する研究は、規模が小さく、アンケートデータをもちい、脳卒中の種類を区別していないことがおおかったので、
全国規模でかつ、週ごとに更新される公金給付データをもちいて、脳卒中の種類ごとに患者の復職状況を長期にフォローしてみたそうな。
デンマークの全病院を対象とした脳卒中登録の2005-2018年の記録から、
脳梗塞(16 577例)、脳内出血(2025例)、くも膜下出血(4305例)、
および年齢、性別をマッチさせた一般住民(134 428例)を対象とした。
患者の73%は神経症状レベルが「軽症」だった。
復職、傷病手当金や障害年金の受給、早期退職、公的年金、死亡の有無を5年後までフォローした。
次のことがわかった。
・ほとんどの患者(脳梗塞の62%、脳内出血の69%、くも膜下出血の52%)が診断後3週間以内に病気休暇にはいった。
・脳梗塞患者の復職率は6ヶ月後56.6%、2年後63.9%、5年後48.1%であり、
・病気休暇の取得率は、6ヶ月後39.8%、2年後15.8%、
・障害年金の受給率は、6ヶ月後0.9%、2年後12.2%だった。
・脳内出血患者は病気休暇と障害年金の受給率が高く、復職率が低かった。
・早期に死亡しなかったくも膜下出血患者は予後が良く、復職率は脳梗塞と同程度だった。
福祉や支援制度の充実したデンマークにおいて、2年後には脳卒中患者のおよそ3分の2が復職していた。脳内出血は脳梗塞やくも膜下出血にくらべて復職可能性が低かった、
というおはなし。
感想:
入院中、なんのあてもないのに「いまこそ勤め先を辞めるチャンス!」とワクワクしていた記憶がある。
「脳卒中」のおかげよ。