元
くも膜下出血の死亡率は高いので、未破裂脳動脈瘤の破裂リスクを理解することは臨床的に重要な意味をもつ。
そこで、未破裂脳動脈瘤の自然歴についての3つの臨床試験ISUIA、UCAS、PHASES で得られた破裂リスクの計算式を、実際のくも膜下出血患者に適用して、
もし未破裂で瘤が見つかったならばどれほどの破裂リスクが提示されただろうか、をくわしくしらべてみたそうな。
嚢状動脈瘤の破裂によるくも膜下出血の患者246例の記録を対象にした。
次のようになった。
・75%は7mm未満で、49%は5mm未満だった。
・瘤の部位は、25%が前交通動脈、次いで16%が後交通動脈だった。
・もっとも破裂リスクの高かった部位は、椎骨動脈で最大10.3%、次いで上小脳動脈の最大2.7%だった。
・平均して前交通動脈瘤の破裂リスクは1.1%、後交通動脈瘤のそれは1.2%だった。
じっさいのくも膜下出血患者の破裂動脈瘤の大多数は7mm未満であり、たとえ未破裂状態で発見できたとしてもそれらの破裂リスクは1%未満と「低い」判定がでることがわかった、
というおはなし。
感想:
これほどの食い違いが出るのは、
くも膜下出血の原因が「瘤の破裂」であるとする仮定が間違っているからとしか思えない。
たぶん大多数のくも膜下出血は瘤の破裂ではなく、血管のふつうの部分が裂けて出血している。
それを認めるとやれることがなくなってしまうので、たまたま見つかった瘤をいじくりまわしてお茶を濁しているのが現状。