元
サルコペニアは筋肉量や筋力が低下した状態をさし、高齢脳卒中患者によくみられる。
ポリファーマシー(多剤併用問題)はサルコペニアとの関連が報告されている。
そこで、ポリファーマシーでサルコペニアの高齢脳卒中患者での減薬と栄養摂取量との関連をくわしくしらべてみたそうな。
日本のリハビリテーション病院でサルコペニアと診断された65歳以上の脳卒中患者について、
入院時6種類以上を服薬している者を対象とし、退院時の服薬数との差を評価した。
入退院時の3日間の食事量から1日の摂取エネルギー量と蛋白質量を求めて関連を解析した。
次のことがわかった。
・361人の患者のうち、91人がポリファーマシーでかつサルコペニアと診断された。
・入院時によく処方された薬剤は、抗血栓薬(79%)、降圧剤(74%)、プロトンポンプ阻害薬(67%)、スタチン(37%)、利尿剤(32%)だった。
・潜在的な不適切処方(potentially inappropriate medications)は1-2薬剤みられた。
・退院時に薬が減った群では中央値で2薬剤、その他の群は1薬剤増えていた。
・投薬数の変化がエネルギーと蛋白質の摂取量と独立に関連していたが、
脳卒中リハビリ中のポリファーマシーでサルコペニアの患者は、薬の種類が減ると栄養摂取が改善していた、
というおはなし。
感想:
薬代に支払うぶんで美味しいものを食べたほうがいい。
たとえ「無料」であっても、効果と安全性のわからない薬はお断り。