元
脳卒中再発リスクの経年的傾向について、世界のいくつかの疫学研究があるが 日本人の一般集団についての報告はない。
そこで、日本の福岡県久山町での半世紀におよぶ研究データから、脳卒中の5年再発リスクの推移をくわしくしらべてみたそうな。
1961年、1974年、1988年、2002年の4期から開始された追跡研究ごとに、
脳卒中の発症後5年間の再発率を評価した。
次のようになった。
・脳卒中患者それぞれ、第1期154人(1961-1971年)、第2期144人(1974-1984年)、第3期172人(1988-1998年)、第4期146人(2002-2012年)を5年間フォローした。
・脳卒中全体および脳梗塞の再発リスクは、第1期から第3期にかけて有意に低下したが、第3期から第4期にかけてはあきらかな変化はなかった。
・脳出血の再発リスクは、おもに第1期から第2期にかけて低下したが、第2期から第4期にかけての低下はなかった。
・これらの傾向は年齢や性別を考慮にいれても変わらなかった。
日本人の脳卒中再発リスクは、1960年代から1990年代にかけておおきく低下したが、それ以降の改善はまったくみられていない、
というおはなし。
感想:
上のグラフ、
経済成長期に食べ物と環境の改善効果で脳出血再発率が一気におおきく下がった。
そして、近年急速に普及した抗血栓薬のおかげで再発率が昔に戻りつつある。