元
家畜肉を定期的に摂取してタンパク質が豊富な状態にある者の脳卒中リスクが高いことがわかっている。
いっぽう、体重減少をもたらさない程度のタンパク質の摂取制限下にあったラットを脳虚血にした場合、その後の神経障害の程度が抑えられ、梗塞も小さいことが報告されている。
そこで脳卒中のあとに、適度なタンパク質摂取制限を始めた場合にも神経保護効果がみられるものか、動物実験してみたそうな。
ラットを脳虚血にした直後に、
通常食群(カロリーの20%をタンパク質)と、
タンパク質制限食群(カロリーの8%がタンパク質)に分けて比較した。
次のようになった。
・タンパク質制限群では、3日後の梗塞体積が小さく、神経学的回復とくに運動調整能力の回復が6週間にわたり確認できた。
・タンパク質制限群の回復促進効果は、抗酸化反応の増加と神経炎症の減少と関連していた。
・組織学的には、タンパク質制限は神経細胞の生存率を長期に高め、梗塞周辺の微小血管密度を増加させ、ミクログリアやマクロファージの蓄積を減少させ、対側の錐体路の可塑性を高め、脳萎縮を減少させた。
・また、糞便中の微生物叢の組成分析の結果、タンパク質制限群では細菌の豊富さと多様性の回復が通常食群よりも大きかった。
脳梗塞後に開始した適度なタンパク質の摂取制限は、抗炎症作用と腸内細菌叢のバランス回復により脳神経の保護と可塑性を促す、
というおはなし。
感想:
タンパク質はおおけりゃいいってものでもないんだな。
でも日本人は肉食べる量がすでに少ないから、わざわざタンパク質減らす必要もないと思う。