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日本では脳卒中治療法として、2005年に静脈血栓溶解療法が、2010年には機械的血栓除去術が認可され広く普及した。
しかしこれらの技術的変化が長期的な視点で脳卒中の転帰に影響したかどうかはあきらかになっていないので、くわしくしらべてみたそうな。
日本脳卒中データバンク(JSDB)の、2000-2019年までのデータを解析対象とした。
脳梗塞および脳内出血とくも膜下出血患者の入院時NIHSSと退院時のmRSスコアを評価した。
次のことがわかった。
・全患者183080人の内訳は、脳梗塞135266人、脳内出血36014人、くも膜下出血11800人だった。
・脳卒中3種類すべてについて、この20年間で発症年齢は高くなり、入院時の神経症状は軽くなっていた。
・脳梗塞では、転帰良好者の割合は増加傾向にあったが、入院時重症度や再灌流療法の有無で調整すると割合増加は消失した。
・しかし転帰不良または院内死亡の割合は男女ともに減少した。
・脳内出血では転帰良好者の割合は減少し、転帰不良および死亡は女性でのみ減少した。
・くも膜下出血では転帰良好者の割合は変わらず、転機不良および死亡者は男女ともに減少した。
日本の脳卒中は、この20年間で発症年齢は高くなり重症度は軽くなった。脳梗塞は再灌流療法のおかげで転帰良好者が増えた。脳出血では転帰の改善は認められなかった、
というおはなし。
感想:
上のグラフみると、脳梗塞の転帰良好者が増えたといっても気のせいレベル。