元
ラクナ梗塞は深部穿通枝動脈の領域に検出される直径15mm未満の梗塞で、脳梗塞全体の20-35%を占める。
画像診断技術の進歩により症候性のラクナ梗塞に加えて、無症候性のラクナ梗塞がおおくみつかるようになった。
無症候性のラクナ梗塞からの再発率や死亡率についてはよくわかっていないので、中国50万人の研究からしらべてみたそうな。
次のことがわかった。
・健康な489597人をフォローして、初発のラクナ梗塞と診断された12150例のうち、4134例(34%)が無症候性で、8016例(66%)が症候性だった。
・脳梗塞を発症しなかった参加者との比較では、ラクナ梗塞患者の年齢は高く (60 vs 51 years) 、高血圧 (19% vs 9%)と糖尿病 (10% vs 5%) がおおかった。
・診断にMRIが使用されたのは、無症候性の33%と症候性の40%のみだった。
・無症候性ラクナ梗塞の発生率は農村部よりも都市部が2倍高かったが、無症候性と症候性の比率は地域によらず同程度だった。
・5年間の再発率(38% vs 43%)と総死亡率(11% vs 14%)は、無症候性と症候性とで同程度だった。
・無症候性および症候性のラクナ梗塞患者の再発例のほとんど(70% vs 72%)は、ラクナ梗塞とは別のタイプの脳梗塞だった。
・再発リスクは年齢、性別、地域により差はなかったが、総死亡リスクは年齢、性別、地域により異なっていた。
ラクナ梗塞の予後は、無症候性と症候性とでほぼ同じだった、
というおはなし。
感想:
病気自慢な会話では、「ラクナ梗塞」を名乗る人がいるとついつい小物扱いしてしまう。