元
脳の主幹動脈の閉塞への血栓除去術に際する合併症については、じゅうぶんにあきらかにされていない。
これら血栓除去術にともなう合併症の頻度、危険因子、転帰についてくわしくしらべてみたそうな。
フランスで進行中の多施設研究ETISの2015-2020年の記録を使用した。
合併症として、新塞栓、穿孔、解離、の発生率、90日後の臨床転帰を収集した。
次のことがわかった。
・手術での合併症は7.99%に発生し、新たな領域への塞栓(embolus to a new territory:ENT)がもっともおおく5.2%を占めた。
・ENTはカテーテルの通過回数が増えると起きやすかった。
・ENTは転帰不良および高死亡率、脳内出血と関連し、吸引型かステント型かにはよらなかった。
・穿孔(Perforation)は1.69%に発生し、90日後の死亡率は40.7%で、転帰不良率は74.6%だった。
・解離(Dissection)は1.46%に発生し、比較的若い患者、ステント使用時に多かった。
血栓除去術の合併症は8%に発生し、新たな塞栓症がもっともおおかった。穿孔を起こした場合の死亡率は40%に及んだ、
というおはなし。
感想:
そして、うまく血栓が除去できても、まともな回復を示す患者は半数にも満たない↓。