元
脳梗塞からの出血性変化のメカニズムとして、たとえば高血糖による炎症、酸化ストレスによる血液脳関門の破壊が考えられる。
腸内細菌叢の組成変化は炎症と密接な関係があることから、出血性変化との関連について、くわしくしらべてみたそうな。
中大脳動脈の閉塞と再灌流をおこなう15分前に50%のブドウ糖を注射したネズミで脳梗塞の出血性変化を誘発しやすくした。
この際の腸内細菌叢の組成との関連を解析した。
次のことがわかった。
・非出血性変化の群にくらべ、出血性変化群では、プロテオバクテリアやアクチノバクテリアの相対量が増加していた。
・すべての短鎖脂肪酸、とくに糞便中の酪酸と吉草酸は出血性変化群で有意に少なかった。
・抗生物質で腸内細菌叢を死滅させたラットでは出血性変化が見られなかったことから、高血糖による出血性変化に腸内細菌叢の組成が重要な役割を果たしていると考えられた。
・さらに、出血性変化群から採取した糞便を、腸内細菌叢を減少させたネズミに食べさせたところ、出血性変化が起きやすくなった。
脳梗塞後の出血性変化は、腸内細菌叢の組成や短鎖脂肪酸レベルと関連していた、
というおはなし。
感想:
腸内細菌、酪酸、が重要そうなキーワード。