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脳卒中の発症率、有病率、死亡率、障害、危険因子、の過去30年間の傾向を、世界の疾病・外傷負担およびリスク因子研究(Global Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Study:GBD)からあきらかにしてみたそうな。
GBD2019の解析ツールにより、1990-2019年までの204の国と地域についての脳卒中に関する推定値を算出した。
次のことがわかった。
・2019年、世界の脳卒中の発症件数は1220万件、有病者数は1億100万人、脳卒中による障害調整生命年は1億4300年、死者数は655万人だった。
・1990-2019年に脳卒中の発症者数の絶対値は70.0%増加し、有病者数は85.0%、死亡者数も43.0%、障害調整生命年も32.0%増加した。
・同じ期間に、年齢調整した発症率は17.0%、死亡率は36.0%、有病率は6.9%、障害調整生命年は36.0%、減少した。
・しかし、70歳未満では有病率は22.0%、発症率は15.0%増加していた。
・2019年、世界銀行低所得層では、高所得層にくらべ、年齢調整後の脳卒中死亡率が3.6倍、障害調整生命年も3.7倍だった。
・2019年に発症した全脳卒中に占める脳梗塞は62.4%、脳内出血は27.9%、くも膜下出血は9.7%だった。
・2019年の脳卒中の5大危険因子は、高血圧、肥満、高血糖、大気汚染、喫煙、だった。
過去30年間に、70歳以上での年齢調整発症率や死亡率が低下したにもかかわらず、脳卒中の発症者数、死亡者数はおおはばに増加した。
この間のもっとも急拡大した危険因子は肥満だった、
というおはなし。
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感想:
上のくも膜下出血発生率の図に関心をもった。
日本だけが異常な真っ赤。
狭い国土と皆保険、人口あたりぶっちぎり世界1位のCT台数によって、非常に軽微なくも膜下出血も検出してしまっていることが原因と考える。
くも膜下出血の症状はおもに頭痛しかないので、日本以外の国ではよほどの重症でないと病院にはゆかず患者数が少ない。
だとすると、軽微なくも膜下出血がめっちゃおおい日本のくも膜下出血の致命率は非常に低いはずなのに、そういうはなしは耳にしない。
日本ではくも膜下出血で入院すると、その症状の軽い重いにかかわらず、半ば強制的に鎮静剤を打たれて、意識もうろうなまま家族の同意だけで手術をされてしまう↓↓↓。
ほうっておいても勝手に治る軽微なくも膜下出血がおおいはずの日本で、その致命率が他国と差がないとするなら、彼らが死に至る理由のかなりの部分は必要のない手術が原因ってことにはならないかな。