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糖尿病は脳卒中後の脳損傷を悪化させる要因として知られているが、そのメカニズムはよくわかっていない。
腸と脳の相互作用、いわゆる「腸脳軸」にもとずく研究から、急性脳梗塞患者では腸内の酪酸産生菌が減少していること、酪酸が脳梗塞にたいし保護的に働くことが報告されている。
そこで、酪酸投与により脳梗塞の悪化を抑える可能性について、人と動物でくわしくしらべてみたそうな。
次のことがわかった。
・まず、糖尿病を併発している急性脳梗塞患者37人が健常者37人にくらべて、糞便中の酪酸産生菌と酪酸レベルが有意に低いことを確認した。
・次に、肥満糖尿病マウスに酪酸ナトリウムまたは塩化ナトリウムのいずれかを投与する4週間の介入をおこない、酪酸ナトリウムが糖尿病の症状を緩和し、腸内細菌叢の組成を変化させ、脳損傷を改善することがわかった。
・酪酸ナトリウムまたは塩化ナトリウムを投与されたマウスから採取した糞便を、抗生物質で腸内細菌を死滅させた別の脳卒中マウスに経口投与したところ、酪酸ナトリウム群の糞便を与えられたマウスの梗塞体積はあきらかに小さかった。
酪酸サプリメントが糖尿病の腸内細菌組成を改善する。その結果、脳卒中後も血液脳関門が保たれ梗塞の拡がりが抑えられた、
というおはなし。
感想:
これ↓のつづき。
腸内で酪酸を作らせるには、適した食物繊維が必要で、
それには長芋がいいんよ。