元
脳内出血は脳卒中全体のわずか15%を占めるに過ぎないが、脳卒中に関連する死亡の半数を占めているという。
経口抗凝固薬(OAC)は脳内出血の主な原因の1つであり、心房細動患者に使用されることから、脳内出血患者には心房細動がよく見られる。
そこで、脳内出血患者における心房細動を有する頻度と経時的傾向、転帰についてくわしくしらべてみたそうな。
フランス・ディジョンの2006-2017の初回脳内出血患者の記録を解析した。
次のことがわかった。
・脳内出血患者444人のうち、21.9%が心房細動で、14.6%は抗凝固薬による治療中、2.9%はあらたに心房細動と診断されていた。
・脳内出血に占める心房細動の割合は、17.2%(2006~2011年)から25.8%(2012~2017年)に増加していた。
・抗凝固療法を受けた心房細動患者の割合は、11.3%→17.5% に増加し、
・あらたに診断された心房細動の割合も、1.5%→4.2% に増加した。
・抗凝固薬の使用を考慮にいれると、心房細動の有無は機能的転帰mRSスコアや死亡率との関連は認められなかった。
心房細動は、脳内出血患者の4分の1に達していた。脳内出血に占める心房細動割合の増加は、心房細動患者への抗凝固薬使用の増加を反映していると考えられた、
というおはなし。
感想:
今回の例もそうなんだけど、抗血小板薬の使用者も含めると、脳内出血患者のだいたい半数はいつも抗血栓(サラサラ)薬使用者が占める。
脳内出血が脳卒中死の半数を占めることから、脳卒中死の4分の1はサラサラ薬によりもたらされている、ってことになるのでは。