元
排便時のいきみなど日常の活動がくも膜下出血のきっかけになることが知られている。
自動車運転時にはストレスにより血圧が20mmHgも上昇しうるという。しかし運転がくも膜下出血のきっかけになるというエビデンスはない。
そこで、運転中にくも膜下出血になった頻度と、その後ドライバーが車を止めて事故を回避できたのかについて、くわしくしらべてみたそうな。
宇都宮病院での2008-2020の動脈瘤性のくも膜下出血患者623人の記録を解析した。
次のことがわかった。
・患者623人のうち、男性218人、女性405人、平均年齢64、だった。
・運転中にくも膜下出血を発症した患者は16人2.6%だった。
・破裂動脈瘤は、14人が前方循環、2人が後方循環系にあった。
・5人31%のドライバーがコントールを失い事故を起こした。
・のこりの11人69%は、自ら停車させることができ事故は起きなかった。
・そのうち6人は自分で救急車を呼んだり、近くの病院に運転して行った。
・退院時の転帰は13人がmRS3以下の良い状態だった。
くも膜下出血患者のうち自動車運転中の発症は2.6%あり、そのうち3分の1が交通事故に至った、
というおはなし。
感想:
解剖調査によるとくも膜下出血は、通常考えられているよりもずっと高い頻度で起きている↓。
症状が頭痛しかないので、ほとんどのひとは病院にゆかず我慢してやり過ごしているうちに自然に治癒してしまっているということ。
「やべっ、アタマいてー」と、車を路肩に停めて ひと休みしているひとはもっと大勢いるはず。