元
高齢化と画像診断装置の進歩によって未破裂脳動脈瘤がおおく見つかるようになった。
未破裂瘤の治療にともなう合併症は、高齢になるほど深刻化すると考えられるので、その年齢の限界を探るべく、リスクをくわしくしらべてみたそうな。
韓国の特定健診情報データベースから、
未破裂瘤にたいしてコイリングまたはクリッピングをおこなった患者の、
周術期の脳出血、脳梗塞、死亡率、および年齢との関連を解析した。
次のことがわかった。
・そのうち、57.8%がコイリング、42.2%がクリッピングだった。
・65歳以上で術後3ヶ月以内の脳梗塞発生率は、コイリング13.90%、クリッピング9.19%だった。
・75歳以上でのコイリングおよび70歳以上のクリッピングでの脳梗塞発生率は、若年層患者よりも有意に高かった。
・周術期に脳出血または脳梗塞がおきた65歳以上の死亡率は、コイリング2.41%、クリッピング3.39%だった。
・これらの死亡率グラフはコイリング群では70歳、クリッピング群では75歳からあきらかに上昇した。
未破裂瘤治療の合併症リスクは年齢とともに増加し、70歳をこえると劇的に上昇する、
というおはなし。
感想:
70歳を超えてなお、症状がないのに未破裂瘤を手術してまで長生きしようとするその執念。
「健康のためなら死ねる」とはこのことか。