元
1960年代から2000年代にかけて、ラクナ梗塞や脳内出血の発生率は低下したが、アテローム血栓性脳梗塞や心塞栓性脳梗塞の発生率は変わらなかった。
いっぽうこの間に日本人の平均身長は一斉に伸びた。
そこで、身長との関連を脳卒中の種類別にくわしくしらべてみたそうな。
40-79歳の愛知県民の研究から、血栓性脳梗塞2451例、心塞栓性脳梗塞687例、脳内出血1623例、くも膜下出血768例および年齢 性別のマッチする対照群を対象に解析した。
次のことがわかった。
・男性では、若年者(40-59) 高齢者(60-79)ともに、身長は脳卒中トータルとくに血栓性の脳梗塞と線形に逆相関し、もっとも身長の低いグループ(160cm未満)では有意にこれら脳卒中リスクが高かった。
・若年男性では身長は心塞栓性脳梗塞と脳内出血と逆相関していたが、有意なリスク上昇はなかった。
・若年女性でこれら身長と脳卒中との関連はみられなかった。
・いっぽう、高齢女性では身長と脳卒中が正の相関を示し、もっとも身長の高いグループ(158cm以上)で脳内出血の有意なリスク上昇がみられた。
日本人の身長と脳卒中の種類別の関連は年齢や性別により異なった。160cm未満の男性は血栓性脳梗塞に、158cm以上の高齢女性は脳内出血になりやすかった、
というおはなし。
感想:
低身長は心拍が速くネズミのように老化がはやい、または貧しい子供時代を反映している、といった理由が考えられるという。