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新型コロナウイルス感染症COVID-19のパンデミック以来、8300万人以上の感染者と180万人以上の死亡者を出している。
COVID-19では高い死亡率とおおくの合併症のため、その治療には病態生理の深い理解が必要となる。
重度のCOVID-19で観察される炎症の亢進状態と高サイトカイン血症が、脳動脈瘤に影響することを示唆するエビデンスが集まってきているそうな。
たとえばこれら2つの症例がある。
・症例1、患者は悪寒、軽い咳、喉の痛みを呈した。その後、39.8℃の高熱、酸素飽和度93%へ低下、左後交通動脈瘤の破裂による大脳基底槽への広範なくも膜下出血を発症した。
・症例2、2週間まえに発症したくも膜下出血でのCOVID-19のPCR検査で陽性となった。前交通動脈におおきな球状の破裂動脈瘤がみつかった。
・いずれの患者の症状と高熱は、高サイトカイン血症および炎症亢進状態と一致しており、
・サイトカインである顆粒球コロニー刺激因子や誘導性プロテイン10、単球走化性タンパク質-1、腫瘍壊死因子αの上昇が認められた。
COVID-19の脳動脈瘤への影響についてはさらなる研究が必要であるが、高サイトカイン血症と高炎症状態は、脳動脈瘤の形成、形態変化、破裂を引き起こす可能性が示唆されている、
というおはなし。
感想:
炎症が破裂のきっかけになるとはよく耳にする。